のんのんのおうち大自然

カメと植物と生きものたち

タネを点まきする理由

こんにちは、音音です。

 

さて、いくらアホみたいな暑さの夏だったとはいえ、ようやく気温がマシに(?)なって、風も涼しくなってまいりました。

しかし騙されてはいけません。これでも最高気温は30℃以上あります。普通に真夏です。これで涼しいと思った人は地球さんにまんまと調教されてます。雌豚の烙印を押されたわけです。アヒィン💕

そう、まだ秋なんか来ていないので、今から秋の準備をしてもいいはず。これはきっと今から種を蒔く予定のある人の役に立てるぞ! という内容を春から温めてまいりました。もちろん一番ワイちゃんの役に立つわけですが……

我が家、植えた植物は一本ずつ極力大事にしたい派。だから細かいタネをたくさん蒔いても、なんか可哀想で間引けない。そのうち、そうも言ってられなくなるのが分かってても間引けない。甘ったれである。

苗で買ってこればいいんだけど、育てたい植物が、タネでしか売ってないことも多く……。誘惑に負けて、タネを買う。間引きたくないので、どんなに細かいタネでも、育てたい数+1〜2しか蒔かないでおきます。

しかしね、たいていどの植物の種まきの仕方を調べても、「点まきして」とか「筋まきして」、「育ってきたら、生育のいいものを残して間引き、株間○cm程度にします。」と書いてあるわけです。

「点まき」というのは、細かいタネひとつまみ分を、一点に固めて蒔くこと。同様に「筋まき」は、タネを線状に固めて蒔くこと。

農家さんが畑に直まきするとかなら、確かにそうしないと手間がかかってやってられませんが、こっちは種まき用のセルトレーにまいて、一株ずつポット上げしていくわけで……趣味の小さい畑に植える数なんか限られてるし。

どうせ間引くんだったら、点まきしないで、最初から一つぶずつまいたってよくない? 芽を一個一個広々育てたら、みんな同じくらいよく育たないのかね? よしんば生育が悪くても別にいいんだけど……

と思い、

togimarufriends.hatenablog.com

春、バジルを蒔く時は一粒一粒蒔いてみました。

 

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けっこう小さいタネなので、ネットで調べると点まきするように書いてあります。


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今年まいたバジルは、写真上段で全てです。あらゆるバジルを育ててバジルバイキングしたい、という夢のもと、国華園さんのカタログに載っていたバジルをスイートバジル以外全部注文しました。スイートバジルは、去年ウチで育てた子から取ったタネを蒔きます。


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セルトレータイプのジフィーポットを用意して蒔きました。一部屋に一粒ずつ、この写真だと全部で4粒です。注文した種は何百粒と入ってたのに、もったいないっちゃもったいない。

さて、この時点で3月初めです。

 

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これはジェノベーゼバジルですね。芽が出てきました。

レモンバジル、パープルバジル、ブッシュバジルは芽が出たのですが、スイートバジルトスカーナバジルの芽が出ません。

 

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トスカーナとスイートを蒔き直します。一粒ずつ試していたら発芽しないかもしれないので、思い切って多めにいきますね。一応、塩水選をやってみたりして。沈んだタネが、質の良いタネです。

togimarufriends.hatenablog.com

が、スイートは自家採種だからか、どのタネもスカスカで全然沈まなかったので、結局全部まきました。


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ともあれ、選別し終わったら、芽が出なかったセルにさっき選別したタネをまきました。発芽を待ちます。


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少し活力剤をやったら、すごい勢いで出てきました。成長スピードが速い速い。大きくなってきたら、一本ずつバラして、1人一部屋ずつセルトレーの小部屋をあげます。


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こんな感じ。で、ここで気がつきます。左下あたりが、最初に蒔いたレモンバジル。右半分の緑のトレーが、後から蒔いたスイートバジル。明らかに、後から蒔いた方が生育が早い。

なんなら、発芽して1ヶ月半が経っているのに、最初まいた方はほとんど成長していない。


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さらにひと月経ちました。スイートバジルはここまで大きくなったので、ポット上げをします。


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一方、最初にまいたセルトレーの子たちは、やはり芽が出た直後くらいから全然成長しません。おかしいな、みんな最初は同じジフィーポットに蒔いたはずなのに。明らかに、最初から芽の成長スピードが違うのである。温度条件はほぼ同じだし、栄養も同じようにやっている。

そのほかに違う条件があるとすれば、1粒ずつ蒔いたかどうかです。

じゃあむしろ、今から複数の芽を1箇所に植え直したら、成長スピードが上がるのでは?


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試してみた結果。ちゃんとした写真がない。

2週間そこらで、パープルバジルは爆速成長し始め、3株中2株が大きな苗になりつつあります。

同様に、ブッシュバジルは2株中1株が急成長。

レモンバジルは、2株中1株が何とか生き残りました。

が今まで一番成長していなかったジェノベーゼバジル3株は、植え替えたら少し成長したものの、結局全滅してしまいました。

面白いことになりました。集団で植えた途端、成長スピードが変わったのです。乾燥しやすいジフィーポットからビニールポットに移したからか? と思いましたが、集団でまいたスイートバジルも最初はジフィーポットから始めているので、ジフィーポットのせいだとは考えにくい。

やはり点まきしたかどうかが違いのカギなんじゃないだろうか。


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では、絶えてしまったジェノベーゼバジルと、1株しか残らなかったレモンバジルをもう一度蒔き直そうと思います。

できるだけ前回と同じ条件にしたいと思うのですが、ジフィーポットは乾燥が早すぎてあまりにも水の管理が大変なので、ビニールポットで勘弁してもらいます。


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で、今回は点まきをします。間引くの嫌だなあ……


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集団で植え、水をやります。塩水選はしませんでした。前回ジェノベーゼとレモンには、発芽から少し後まで栄養をやっていなかったので、比較のため肥料や活力剤の類は一切なし。水だけでしばらく観察します。


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3日で発芽してきました。これは、前より気温が高いせいかもしれません。


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このくらいまでは、前も成長しました。しかし、ぱっと見元気さがかなり違うような気がする。


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3週間でこうなりました。やっぱりすごいスピードで成長する……! 前と同じ種類のタネなのに! 前は本葉が出るまで1ヶ月以上かかって、3mmくらいまで大きくなったきり成長しなかったのに。


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本葉が出たら、あっという間にこの大きさになりました。前の写真から1週間です。さすがに混み合ってきたので、泣く泣く間引きます。間引いた芽は乾燥させ、美味しくいただきました。


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あっという間に植え付けられるサイズになりました。彼氏に頼んで、バジル畑にひと畝増やしてもらいます。


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ご覧ください。これが8月後半、前回の写真から1ヶ月と少しが経った苗です。


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根っこがこんなに出てます。成長しすぎて、調子が悪くなってきたので慌てて植え付けました。

 

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今の畑はこんな感じ。一番手前の列と、その奥の列の一番左の1株が、後から蒔いた子です。先に植わってたやつらも元気元気で、今年のバジル栽培は大成功です。

 

と、いうわけで結果まとめ。

ここまでの経緯を見ると、「点まきしないと生育がものすごく遅くなるか、最悪止まる」と言えそうです。

今回はバジルだったので、他の植物でやるとまた変わってくるのかもしれません。また、最初にタネを蒔いたのが3月で、2回目にレモンバジルとジェノベーゼバジルを蒔いた時は6月だったので、気温の条件が違ったことによる影響は排除できなかったように思います。

しかし、やはり最初の種まきと同じ時期に、スイートバジルトスカーナバジルだけ集団で蒔いた結果、そいつらだけ成長が早かったこと、1粒ずつ蒔いて育てたやつらも集団で植え直したら成長スピードが上がったこと……これらも考え合わせると、全てに一貫した条件の違いは「集団で生育したか、そうでないか」。

気温、バジルの種類、ポットの種類、栄養をやるタイミングなど条件はある程度ランダムでしたが、「集団で育ったか」の条件が変わった時だけ、明らかにどの芽も生育スピードに影響が出た。

やはり、「点まきしたかどうか」「集団で生えているか」が決定的なカギであると結論したいところです。二次変数の統制! 比較実験のデザイン! ああ懐かしい、大学生の頃吐くほどやらされたなあ……!

ところで、植物には目も鼻も耳も神経もないのに、どうして密集して生えてるかどうかが分かるんでしょうね。

高いところから吊るして植えられることの多いウツボカズラは、地面からどれだけ離れているかによって、袋の付け方や数が変わるらしい。それと同じように、感覚器官がないはずの植物たちは、生育に絶対必要な条件でなくても、けっこう正確に環境の違いや周りの様子を感知しているようですね。

どこで? どうやって? なんで? ……とまあ疑問は尽きませんが、もう少し勉強したら分かるのかな。とりあえず、今回は「点まきや筋まきしろって書いてある植物は、つべこべ言わず言う通りに点まきや筋まきした方がいい」ということが分かりました!! 人の言うことは、ちゃんと聞きましょう!!

 

今回はここまでにします。

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ぜひ、次回もよろしくお願いします。

 

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